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八重山病?な日々

yshirai.exblog.jp
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2008年 01月 13日

「ロートレック荘事件」 筒井 康隆 ネタバレあり

ロートレック荘事件
筒井 康隆 / / 新潮社
スコア選択: 3.5(5点満点)



昨日1日で読了。その前の封印再度が数日間かかったのに比べると、もの凄い
スピードです。200頁と短いせいもあるけど、短くても各登場人物の書き分けも
よく分かったし、長々と書けば良いってもんじゃない事、そして改めて筒井御大
の筆力に感心しました。

トリックは叙述モノ。勘が良い人、きちんと読んでいる人は案外早めに気付くかも
しれません。私のようにガンガン読み飛ばすと、まんまと騙されることでしょう。

確かに読み進めて行くうちに、「あれ、なんかおかしいよな・・・」と腑に落ちない箇所が
沢山出てきます。そして驚きの解決が提示された後も、納得の行かない箇所が
あっても安心です。驚くことになんと犯人による答え合せがあります。
トリックが潜んでいる文章にはちゃんと何ページ何行とまで書いてあります。
なんて親切なんだ
ラストの事実は、せつなくて好きだなあ~                    7冊目
ロートレックも名前は知っていたけど、あの事実は知らなかった。


ここから更にネタバレ


奇数章と偶数章で一人称の人物が変わります。そこに気付くかが解決のキーと
なりそうです。そのヒントとして、作者は序盤でいきなり語り手を変えてきます。
更にラスト直前でも全く違う人の視点からの書き方に変えます。そうすることに
よって、本文も人物が変わっているんだよと暗に教えているんでしょう。

by yoshioshirai | 2008-01-13 13:18 | ミステリー・推理


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